本格的なプログラミング言語の時代が始まって50年余りの歳月が流れた2014年、アップル社が新たな言語「Swift」を世に送り出しました。
Java、C++など数多くのプログラミング言語が勢力争いを繰り広げるソフト開発の世界。
そこに、また一つ新たな言語を投じた狙いはどこにあるのでしょう?
Swiftの発表には4つのキーワードが使われました。
現代的(modern)、安全(safe)、対話型(interactive)、高速(fast)。
最新技術を結集したモダンな言語なのでシンプルなコード記述が可能です。
おのずと記述の分量も少なくなり、読みやすくて書きやすいという初心者にも優しい言語となります。
安全とはアプリに不具合が起こりにくく高水準の安定稼働が期待できること。
正確性に欠けたコード記述がテストをくぐり抜け、実装段階でトラブル出現という悲劇を、言語仕様が未然に防ぎます。
またSwiftにはプログラムの動きをすぐに視認できる対話型のツールが用意されています。
意図した動きをするまで修正を迅速に重ねていけるので生産効率が大いに向上します。
さらに、日本語で迅速という言葉の意味どおりプログラムの開発が速くなることが期待できるだけでなく、実行速度もまた既存の言語より高速であることが確認されています。
以上、Swiftの優位性を4点説明してきましたが、現時点で市場シェアはまだ大きくありません。
登場以来、仕様の改定が重なったため前世代的立場の言語Objective-Cからの移行は始まったばかりです。
ただ、半世紀余りのプログラミング言語の歴史を振り返れば、秀逸な言語への世代交代は必然であり、将来性は大いに期待できます。
日本のスマホユーザーの約4割がiPhoneを使用していることも、この小さな新言語の成長を後押しすることでしょう。